2010年5月23日日曜日

ゴーストライターという職業

「今思うと、実はあれ、幽霊だったんじゃないかなって」(稲川淳二風に)という冗談はさておき、「Business Media 誠:吉田典史の時事日想:約9割のビジネス書は、ゴーストライターが書いている (1/3)」という記事を読んで、10年以上前に小さな出版社に見習いしていたころを思いだした。

その出版社では、企業や団体から依頼を受けた本を出版し、発行部数の大半を買い取ってもらうことで収益を得ていた。例えば鉄筋コンクリートの工事技法とか、キトサンという健康食品の解説、宗教家の説法まで、その分野は様々だ。

企業や団体が自分たちの技術や考え方を世に広めたいとき、それらを出版物にまとめることには大きな意義がある。出版物を作成する過程において、伝えたいメッセージを分かりやすくまとめ直すことは、その企業の営業活動に大きなメリットをもたらすし、著書があるだけで「箔が付く」のも事実だ。

しかし、企業や団体が自力で出版物を取りまとめるのは非常に難しい。いくら知識が豊富でも、出版に必要な原稿(だいたい200ページ)を書くのは容易ではないし、他人が読んでも分かりやすい日本語を書くことも非常に難しい。せっかく書きあげた原稿には、何が書いてあるかわからないではシャレにならない。そこで、私がいた会社でも、そこの社長が原稿執筆から編集まで対応していた。

面白い話もいろいろと聞かせてくれた。著者から来た1枚のファックスを元に本一冊分の原稿をまとめたこともあったらしい。これは極端な例だとしても、全ての原稿がひとそろい著者から届くことはなく、編集や加筆することで出版できるレベルになるとのこと。

そんな経験があったから、上記の記事に違和感を感じなかった。ゴーストライターというと何か聞こえが悪いが、執筆代理人の存在意義は大きいと思う。

ちなみに、私がその出版者で編集に携わったのは甦れ!キリンラガーという自主企画本だった。本の原稿をPagemakerというレイアウトソフトに取り込み、挿入するグラフを作成するなど、貴重な体験をさせてもらった。それが今でも企画書やマニュアルの作成に役立っている。

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