2010年7月19日月曜日

生産者と消費者

宮崎駿氏がiPad等のデジタル機器に対して否定的な発言をしたことが話題になっている。

断片的だが非常に耳の痛い言葉が続く。

(「iPadを資料収集のツールとして使えばいいのでは?」という質問に対して)あなたの人権を無視するようですが、あなたには調べられません。なぜなら、安宅型軍船の雰囲気や、そこで汗まみれに櫓を押し続ける男達への感心も共感もあなたは無縁だからです。世界に対して、自分で出かけていって想像力を注ぎ込むことをしないで、上前だけをはねる道具としてiナントカを握りしめ、さすっているだけだからです。
一刻も早くiナントカを手に入れて、全能感を手に入れたがっている人は、おそらく沢山いるでしょう。あのね、六〇年代にラジカセ(でっかいものです)にとびついて、何処へ行くにも誇らしげにぶらさげている人達がいました。今は年金受給者になっているでしょうが、その人達とあなたは同じです。新製品にとびついて、手に入れると得意になるただの消費者にすぎません。

反論させていただきますと、確かに私もiPhone4をいち早く手に入れたことに有頂天になりましたが、「全能感を手に入れた」と有頂天になったことはありません。フリーのエンジニア兼ライターとして顧客に「iPhone4があります」と営業したことはないし、iPhone4を持っているという理由で私に仕事を発注する顧客は皆無です。技術調査報告書の作成も、ネットでかき集めた情報を読み解く・検証する・必要に応じて国内外の書籍を買いあさって確認する、といった作業が必要になります。そういったプロセスを知らずに「iナントカで上前をはねているだけ」と言われると正直悲しいです。

まあ、確かにネットで得た情報を自慢げに振りまいている人が多いのも事実なので、彼の言いたいことも分かります。えらそうなことを書いている私だって、この宮崎氏発言の出典を確かめていないし。

あなたが手にしている、そのゲーム機のようなものと、妙な手つきでさすっている仕草は気色わるいだけで、ぼくには何の感心も感動もありません。嫌悪感ならあります。その内に電車の中でその妙な手つきで自慰行為のようにさすっている人間が増えるんでしょうね。電車の中がマンガを読む人間だらけだった時も、ケイタイだらけになった時も、ウンザリして来ました。

私も電車の中で乗客の大半がケイタイをいじっている姿は不気味と感じますが、それに染まっていく自分が悲しい。「だって便利なんだも~ん」と開き直るしかない。

あなたは消費者になってはいけない。生産する者になりなさい。

私は生産者なのだろうか?ただの消費者なのだろうか? しばらくは答えが見つかりそうにない。

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