2010年9月12日日曜日

Distinguished Gentleman

また、思ったことをつらつら書く。本来は技術ブログなのに・・・。

さて、私は政治に興味がない。昔は政治ジャーナリストを目指して大学で勉強していたが、小泉劇場から始まり民主党代表選まで続くマスコミのバカ騒ぎは精神衛生上よろしくない。私の仕事や生活が政治が影響することなんて滅多にないので、つまらないことに腹を立てるより、決まったことに面従腹背(めんじゅうふくはい)しているほうが賢い、と高(たか)を括っている。

いまだに民主党代表選におけるマスコミのバカ騒ぎが続く中、私が好きな日経ビジネスONLINEのコラム「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」の2010年9月3日記事「「父親」を求める中二のオレらと、「ガールズ」の行く末」で次のように言い放つ。

ろくな政治家がいないから人々が政治家を尊敬しないのか、あるいは逆に国民が政治家にリスペクトを抱かないからマトモな政治家が現れなくなったのか、順序はかならずしもはっきりしない。ニワトリとタマゴだ。

(中略)小沢さんや菅さんについて、あまり侮るようなことを言うのはやめよう。尊敬できないのは仕方がないのだとしても、それならそれで、なるべく言及しないようにして、静かに経過を見守ることにしよう。

もう1つ、民主党代表選にからむ日本の世相について面白い記事を見つけた。ニューズウィーク日本語版でも「日本を殺すスキャンダル狂い」と題してマスコミ・世論に警告を鳴らす。

朝日新聞が3月に行った世論調査によると、7月の参院選で「政治とカネ」の問題を重視して投票すると答えた人は半数以上に達した。日本がいま直面している経済や外交の深刻な問題よりも、政治とカネというスキャンダルを追及することのほうが重要らしい。

(中略)日本の「スキャンダルマニア」には、長年の蓄積がある。自民党の長期政権が続いた何十年もの間、弱い野党がスポットライトを浴びるチャンスは国会審議のテレビ中継くらいだった。野党は有権者にアピールするべく、国会にテレビ中継が入る日、もっぱら自民党のスキャンダルをセンセーショナルに取り上げて非難し続けた。

(中略)メディアも、政策をめぐる議論を報じることよりも政争や政局を報じがちだ。政治家のスキャンダルを追及すれば、視聴率や売り上げ部数が稼げる。メディアは血に飢えたサメのように、新たな餌食を探し続ける。

「政治とカネ」に焦点を合わせないと視聴率や部数が稼げない現実もあるだろうが、そんなメディアに愛想を尽かした人も少なくないはずだ。今ほどマスコミへの評価が低い時代もない。ネットには「マスゴミ」と銘打ったマスコミ批判が連なり、出版業界は売上の減少に悩む。彼らが「活字文化を守れ」という声を出すたびに大衆から反論される声が出てくる。結局「人を呪わば穴二つ」のことわざ通り、他人を非難して生きていると必ずしっぺ返しがくる。「品格を語るものを品格を失う」、ここしばらくで私が気に入っているフレーズだ。

これらのコラムや記事を読みながら頭に浮かぶのは、私が好きな英単語「distinguished」だ。weblioによれば「顕著な,名高い; 抜群の,すぐれた」そして「〈態度など〉気品のある,上品な」といった意味だが、この言葉には特別な思い入れがある。

英単語「Distinguished」には、義務教育で英語を触れ始めた中学生のころにドラマ「あぶない刑事」の主人公が使っていた拳銃「M586 DISTINGUISHED COMBAT MAGNUM」という名前から知った。興味本位で英和辞典を引き、その意味が「抜群の」とか「洗練された」だと知って納得したが、その動詞である「distinguish(見分ける、区別する、識別する、の意)」とのつながりがわからず、軽く混乱したことを覚えている。

しばらくして、この英単語にはアメリカで見たエディ・マーフィー主演の「Distinguished Gentleman」という映画のタイトルで再会した。映画の主人公が当選した国会議員だったため、「Distinguished(顕著な・上品な)」という言葉の語源は「(神や民衆に)に選ばれたもの」だということを悟った。(ちなみに日本題「ホワイトハウス狂騒曲」は誤り。舞台は国会議事堂でありホワイトハウス=大統領官邸ではない。)

「Distinguished Gentleman」、民主党代表選のバカ騒ぎ・荒探しについて、これほど風刺の効いた言葉はないだろう。これが国民の選択の結果なら我々は諦めるしかない。私も「無視する」という選択をしたのだから。

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