2011年11月19日土曜日

オリンパスと員数主義

オリンパスの粉飾決算について論評するだけの情報や会計知識は無いけど、社長だった下山氏がインタビューで「(「不正を知っていたかという質問に対して)私は軍人上がりで、不正は大嫌いだ」と返答していたことが印象に残った。

というのは、この発言を聴いて、私は山本七平氏が一下級将校の見た帝国陸軍 (文春文庫)という本で解説していた員数主義について思い出したからだ。

員数主義とは本来「物事を数値化(員数化)して現状を把握すること」なのだが、日本軍では「事実や正義よりも辻褄合わせを優先させること」という意味で使われていたとのこと。手元に原本がなかったので、ABO FAN Home Page/Psychologistsというサイトから再引用させてもらうと・・・。
「紛失(なくなり)ました」という言葉は日本軍にはない。この言葉を口にした瞬間、「バカヤロー、員数をつけてこい」という言葉が、ビンタとともにはねかえってくる。紛失すれば「員数をつけてくる」すなわち盗んでくるのである…(中略)…いわば「盗みをしても数だけは合わせろ」で、この盗みは公然の秘密であった。…(中略)…これは結局、外面的に辻棲が合ってさえいればよく、それを合わすための手段は問わないし、その内実が「無」すなわち廃品による数合わせであってもよいということである。
山本氏は「結局、辻褄合わせの数字に自ら振り回せて帝国陸軍は滅んだけど、員数主義は戦後日本に根強く残った。というより、員数主義は元々日本人が持っている資質から生まれたものではないか」と結論付けていた。

オリンパス元社長の「元軍人なら不正は起きない・起こさない」なんて何の根拠もない妄言である。しかし、勇ましくオリンパスを非難・罵倒する人達の中で、どれだけの人に石を投げる資格があるのだろうか? 日本社会で員数にとらわれず自分の正義や信念を貫いていきるつらさや苦しさを理解したうえで他人を攻撃しているのだろうか? 私には答えがないので、衣袋さんがTwitterで毎日つぶやいている言葉をもって、この投稿を締めたい。
データのリリースには目的がある。数字は常に主観的で、罪深く、一人歩きする。数字に客観など無い。幾らでも誘導質問はできることを知っておこう。調査のサンプルサイズ、サンプリング方法、回答者属性、質問文、解答の選択肢の全部を開示していないデータは信用できない

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